第196話「私は」

マンガ

禰豆子は無我夢中で田んぼ道を走り続ける。

息が絶え絶えになりながら、炭治郎のもとへ。

その途中、脳裏には家族が無惨に殺された時の記憶が蘇る。

この程度の血の注入で死ぬとは

太陽を克服する鬼など

そうそう作れたものではないな

感情の籠らない冷たい声で、吐き捨てられた言葉を思い出し、

禰豆子は怒りの感情に支配されそうになる。

そんな時、頭をよぎるのは泣きながら駆けつける炭治郎の顔。

鬼になってしまったばかりの時に出会った水柱・冨岡義勇。

そして、炭治郎と自分を助けてくれた、育手・鱗滝左近次、珠世と愈史郎。

そして屈託ない笑顔の我妻善逸。

どんぐりをくれる嘴平伊之助(はしびらいのすけ)。

お館様・産屋敷耀哉(うぶやしきかがや)。

鬼殺隊の柱の面々。虫柱胡蝶しのぶ、その家族たち。

見ますか?・・・金魚

炎柱・煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)。

音柱・宇髄天元とその3人の妻たち。

刀鍛冶の里の面々。

死川玄弥。

恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじみつり)。

霞柱・時透無一郎(ときとうむいちろう)。

そして、暖かく自分に向って手を差し伸べているのは、兄・竈門炭治郎であった。

兄ちゃんが

守る

何があっても

お前だけは

そして、ついに鬼の目が消え、自我を完全に取り戻した。

私は

竈門禰豆子!!

鬼に家族を

殺された

場面は変わり、無惨との死闘を繰り広げる炭治郎。

炭治郎は息も絶え絶えに、ヒノカミ神楽の12の型を円環させることに命を燃やす。

ふんばれ

一秒

一秒を稼ぐ

一方の無惨も、数々の激闘や珠世としのぶによる毒の影響で息を切らす。

命の気配がする

戻ってくる

目障りな柱共

止めを刺しきれていない

致命傷はとうに負っているはず

だが死んではいない

珠世の鬼が手当てをしている

完全に死ぬまでは戦わせるつもりだ

止めを刺せなかったのは此奴(炭治郎)のせいだ

いや此奴だけではない

刀狩りという組織が数珠繋ぎとなって

それ自体がひとつの生き物のように

私を絡め取らんとしている

鬼殺隊のカラスが時を告げる

夜明ケマデ三十五分!!

無惨は考える

戦いは終わりだ

これ以上危険を冒す必要がない

炭治郎は無惨の思考の変化を察知する

何かするつもりだ

もしや

「伊黒さん 無惨が分裂する 細かく飛び散って逃げる!!」

止められるか!?

二人なら

いや分裂をさせたら駄目だ!!

二人で十二か所

一息に切り込めば・・・!!

止まった!?

無惨は驚きながら自分の身体を見つめる

分裂できない

そうか

薬は三つだったのか

人間返り

老化

分裂阻害

女狐が・・・!!

無惨の中に取り込まれた珠世の細胞が語る

残念

はずれです

吐血する無惨。

驚く炭治郎。

!?

吐血した・・・!!

笑みを浮かべながら語る珠世。

薬は四つですよ

三つの薬で弱った所に

細胞破壊の薬が効き始める

さぁ

お前の大嫌いな

死がすぐ其処まで

来たぞ

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